剱岳 DAY1
『2015年のシルバーウィークに剱岳に登る』
この目標を昨年秋に掲げ、今年はこの山行に照準を合わせてきた。今年登った山は剱岳を意識して選んだりもしたけど、6月の赤岳登山のころからは、平日の夜に少し時間が作れるようになった為、長友の体幹トレと筋トレとウォーキングを始めた。本格的な筋トレは人生初だったけど、3か月で約6k減量し、体脂肪率は19%から瞬間12%台まで落ち、骨格筋率や基礎代謝も着実に上がり、トレーニングの負荷も着々と上げれている。毎日複数の決まった時間に計測し、Excelで表とグラフ化して眺めてはニンマリしている。食事制限やプロテイン摂取は今のところ全く行っていないが、腰ベルトは3段、腕時計のベルトも2段穴の位置が細くなった。腹筋も少し6つに割れてきた。学生時代のベストコンディションくらいまで戻っている感じで体の調子もすこぶるいい。その効果は、8月の烏帽子岳あたりから感じることが出来た。今年の流行語大賞になるのでは?と個人的に思っている「結果にコミット」を、自力による自宅トレで達成でき、精神的にも肉体的にも剱岳への自信をつけた。
ここまでやったのも、剱岳を安全に登りそして「安全に下る」為だ。「岩場は足腰で登る」なんてことも言われるが、下る時は足腰だけで下れるか?というと絶対に上半身の力が必要になってくる。今まで腕力が弱く、冬の風折滝や夏の前鬼川の時でさえ、正直腕が疲れた。岩場では普段の山登りでは使わない筋肉を使うことは、これらの時に痛感していた。岩山の剱岳を安全に下るには、三点支持は問題なく出来るのであとは上半身を鍛えておく必要性を強く感じていた。途中からは嫁さんも一緒にトレーニングに参加し、お互いいい状態で当日を迎えることが出来た。ちなみにトレーニングは山と同じでしんどいけれど、やったらやっただけ確実に応えてくれるので、2週間目くらいからは面白くなり、現在では当初の目的に関係なく、山も含め他の時間を削るほど日課になってしまっている。(一体どこを目指しているのやら・・・)
トレーニングをして唯一懸念していたのは、冬山でのテント泊。体脂肪率を落としたことで、体の耐寒性が落ちていないかが心配だったが、今回の山行では3日目にマイナス3℃まで冷え込んだが、ペラペラの#5シュラフでさほど寒くなく眠れたので、今のところは問題と捉えるほどではないみたい。ただ、この点について、アンニョンさんやke-nさんは僕より分厚いシュラフだったが結構寒かったと言っていたことからも、前から思ってはいたが、僕はどういうわけか寒さに強い体質なのかもしれない。
そんなわけで、19(土)の夜、僕たちは立山へ向かった。今回同行して頂いたのは、昨年から一緒に剱岳を目指してきたアンニョンさん、急遽同行することとなったke-nさん、嫁さんと僕の4人。僕のコンテカスタムに4人分のテン泊装備に加え、その他もろもろの荷物を室内に積んで4人乗れたことは、この旅の副次効果として個人的にはとても収穫だった。
立山に着くと、何とか空いていた遠めの駐車場に停め、チケット売り場で渋滞を食らいようやく8時にケーブルに乗車。9時過ぎに室堂に到着した。
いざ出陣!のお二人。ke-nさんは今回初めてのテント泊で、一緒に張れることは今回の旅の楽しみの一つだった。

立山

紅葉が思ったより進んでいい感じ。

チングルマの果穂。

別山から剱御前方面。紅葉は数日後にはピークになりそう。

光が当たって輝く色とりどりの紅葉。僕だけではなく、皆、カメラを取り出して撮影を楽しんでいる。そして序盤から遅れがどんどん積み重なっていく。

1箇所だけ残雪が登山道を覆っていた。アイゼンは不要。

EOS M EF-M22mm(嫁さん撮影)
ナナカマドももう少しか。


のんびりと撮影しながら一ノ越に到着。一ノ越では凄い数の登山者が休憩したり登って行ったりしていた。

黒部五郎岳

槍ヶ岳

雲に浮かぶ餓鬼岳

水晶岳、赤牛岳。来年こそは歩きたい。

昨年、下ノ廊下の初日に歩いた東一ノ越への登山道。東一ノ越からは後立山の景色がとても良かった。


大日連山



遠く黒部五郎岳までの縦走路に思いを馳せる。

EOS M EF-M22mm(嫁さん撮影)
上ノ廊下

野口五郎岳と槍ヶ岳

薬師岳と北薬師岳。金作谷カールが綺麗。広大な立山ではいつも望遠を持ってきているが、今回も初日は積極的に使用することにした。

この日はとにかく雲海が凄かった。




一ノ越からのんびり撮影しながら50分ほどで雄山に到着。山頂は後立山と裏銀座方面の大展望台だ。

対岸の種池山荘から針ノ木岳への縦走路は、上部が紅葉で赤くなっていた。

針ノ木岳、蓮華岳。このエリアはすっかりお気に入りになった。

黒部五郎岳。一度は登ってみたいが、水晶から南側は最近あまり興味が湧かない。やはり読売新道から裏銀座を北上するルートがいい。以前歩いた蓮華温泉から白馬大池まで登り、南下していくルートもいつか歩きたいが、槍経由で上高地へ抜けるのではなく、その時もやはり読売新道経由で黒部ダムへ下りるのをやってみたい。

頂上で祈祷してもらう登山者たち。

8月に登った烏帽子岳が中央に見える。遠くから見ると意外と小さかった。

立山縦走路に入ると威圧感のある剱岳が登場。4年前に立山三山を縦走した時も、この威圧感に圧倒された。

大汝山にて記念撮影。

NEX-5N(アンニョンさんカメラ)
白馬岳の斜面も草紅葉が見られる。

大汝休憩所

遅い昼食を食べることに。

うどんを注文すると、お餅が入ってきた。これがかなり旨かった。ここでバックパックの片方のショルダーの付け根が破けてるのを発見。以前から縫製が少し解けてた箇所でもあったので、補修テープを巻いて頑丈に補強した。帰ったら山と道にメンテに出そうと思う。

映画「春を背負って」の薫小屋の看板がそのまま置かれていた。ちょっと嬉しかった。

富士ノ折立でも記念撮影。余裕かましてるけど、途中の撮影やらで予定よりかなり遅れてしまっている。

5DⅢ(ke-nさんカメラ)
綺麗な放射状の内蔵助カール。

富士ノ折立から激下ったke-nさんとお月さん。

ここからカールを右手に見ながら爽快な稜線歩き。気持ちよくてどこまでも歩けそうな感覚。

ブロッケン!

草紅葉の登山道を下るアンニョンさん。ke-nさんと少しはぐれるハプニングもありつつ。

相変わらず雲海が綺麗。今日の雲海は一日中安定してた。

えっマジで!と皆が思った別山への登り返し。歩いたのが4年前だったので僕もこの登り返しはすっかり忘れていた。でも歩いてみるとそれほどでもなくあっさり別山に着いた。

またまたブロッケン!

EOS M EF-M22mm(嫁さん撮影)
快走する嫁さん。

ひたすらに、登り続けて、

別山到着!

黄昏に酔うアンニョンさんとke-nさん。本日のベストショット!!

まさに雲の海。一向に途切れる気配がない。

そして剱岳の雄姿。時間が遅れたおかげで夕方の斜光に照らされる剱岳に出会えた。雲海の演出も何とも絶妙。

剱沢のテン場。見た感じ、3張り出来るとこないんちゃう?と。。。

綺麗な夕陽と雲海。

歩いてきた縦走路にも雲海が迫って美しい光景。

夕焼けまで粘りたかったけど、テントを張らないといけないので諦めて剱沢へ下った。


剱沢に着き、テン場を探すもなかなかいい場所がない。暗くなってきたので、仕方なく斜面に3張りした。

夕食はおでんといつもの焼き米のお茶漬け。さらに、酒はないがおつまみを2~3種つまむと、お腹がいっぱいになった。今日はそこそこ歩いたけど、荷物の軽量化とトレーニングのおかげであまり疲れもなく、かなりの余力を残して無事に一日目を終われてホッとした。ちなみに出発時の荷物は、コンビニでおでんやら色々と買い過ぎたのも含めてPack Weightで9kgだった。(おでんは500gと結構重い!)

そして、明日に影響しない程度に30分ほど星景撮影。このショットでは、テントの人がうまいこと戻ってきてくれた。

板についてきたKhufuと星空。今日はヘッデンで回りを少し明るく演出した。中央あたりの稜線の強い光は剱御前小舎。Khufuの隣のG-LIGHTはke-nさんのテント。僕が今年応援している二百名山一筆書きの田中陽希さんも使用している。ke-nさんは意外と快適に過ごされたようで良かった。

天の川も綺麗に見えた。

明日はきっといい日になる♪

つづく
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| 北アルプス、飛騨山脈 | 00:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑
COOPERさん、おはようございます。
本日のベストショット、この一枚が今回の山旅を物語っているように思います。
天候に恵まれ、紅葉や雲海といった光景にも恵まれ、
なんといっても素晴らしい山友さんとの旅がとても楽しく充実したものとなりました。
おかげさまでテント泊デビューで色々と教わることができましたし、
コンテカスタムにパッキングされた車中(笑)も和気藹々と短い時間のように思え、
道中を楽しく過ごさせてもらうこともでき、
本当にありがとうございました。
ここ最近、ものすごく体が締まってきていているなと感じてはいましたが、
身体が変わる楽しみを覚えてしまうと、継続あるのみですね。
肉体もU.L仕様となり、どこまで登っていかれるのでしょう?
僕では付いていけないだろう今後のご活躍も楽しみにしております。
| ke-n | 2015/10/05 08:49 | URL |