yamaフォトライフ COOPER

金剛山・大峰山系の四季を EOS 6D / MでSHOT!

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烏帽子岳 前編

2015年8月12日(水)~2015年8月13日(木)テン泊
ブナ立尾根~烏帽子小屋
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夏休み前半、諦めきれずに1泊テン泊で北アルプスへ。



今年の夏休みは、黒部ダムから読売新道を登り、尾根伝いにぐるっと回って針ノ木雪渓を下る5daysを計画していたが、天候悪化の予報となった為、予定を変更。晴れ予報の8/12(水)を狙って一泊二日で北アルプスを歩くことにした。この5daysのルートの中でまだ行ったことがない山を一泊で歩くとしたら、七倉から船窪小屋(小屋に泊まってみたい)、もしくは烏帽子岳しかないやろうと。ランプの宿は縦走の時にとっておくとして、縦走の下見がてらエボシを見に行こう!ということで烏帽子岳に1泊のテン泊で行くこととなった。(縦走は来年に持ち越し予定。船窪小屋は段平さんが最近行かれていた

8/11(金)は残業を早めに切り上げ、自宅に帰ってシャワーだけ浴びるとすぐに出発した。前日にパッキングや温泉グッズなどもろもろの準備を全て終わらせていたので、すぐに出発することが出来た。事前の準備がどれだけ出来ているかが、到着後の睡眠時間にモロ影響してくるのは分かっているけど、最近なかなかこれを出来てないことが多かった。途中のSAで晩ご飯を食べて、七倉温泉の駐車場に着いたのは午前2時過ぎ。駐車スペースを探すと、数台分空いていてひと安心。ふと、ワンボックスの開いたバックドアにランタンを灯して、キャンプ用らしいチェアに男が腰掛けて何かしているのが見えた。時間が時間だけに違和感を感じたので、少し離れた場所に車を駐めた。フロントガラスにサンバイザーをセットし、シュラフを体に掛けたらあっさりと眠りに就いた。翌朝は周りの音と共に6時に目が覚め、外を見ると曇ってるような晴れてるような、中途半端な感じだった。ちょっと不安になったが予定どおり行くことを決め、コンビニで買った朝食を食べた後、いつもの段取りで出発の準備を終わらせた。

七倉温泉の登山口は、目の前に無料の駐車場、水洗トイレ、温泉と、至れり尽くせりだ。温泉は下山後に利用したが、早朝でも開いているのでとても助かる。トイレの手前のプレハブに上がり、係員と大した会話もせず淡々と登山届を記入・提出した。登山届は、後立山エリア共通のあの黄色くて大きいやつだ。

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七倉からは専用タクシーで高瀬ダムへ向かった。自家用車は七倉までしか入れないので、歩くかタクシーしかない。自転車は入ってもいいのか分からないがダメだと思う。タクシーの運転手が、ダムまで歩く人もそこそこいるけどダムへの最後の九十九折れがかなりキツイと言っていた。僕たちは最初からタクシーのお世話になるつもりで楽させてもらったが、実際に歩いてる登山者をタクシーで抜いていくと、ちょっと真似は出来ないなと思った。高瀬ダムに着くと、大きくて綺麗なダムが目の前に現れ、回ろうと思っていた裏銀座コースから船窪方面の尾根も右奥の方に見ることが出来た。タクシーは七倉に常駐していて、高瀬ダムにも午前中はほとんど常駐しているようだ。帰りに、もしタクシーがいなかったらあの管理棟でTELして呼んでくれたら七倉から15分で来るよと、運転手が教えてくれた。御礼を言ってタクシー代の2,100円を支払い、トンネルの方へと向かった。ダムの水は綺麗なエメラルドグリーンで、水量がとても多かった。トンネルには歩行者用の通路があり、電気も点いているので何も問題はなかった。トンネルを抜けるとすぐに吊り橋が現れて、右を見ると船窪方面が、左を見ると湯股方面が見えていた。濁沢キャンプ場を過ぎると、新しい濁沢橋を渡りブナ立尾根登山口に着いた。高瀬ダムからだいたい30分くらいだった。

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ブナ立尾根は日本三大急登であり北アルプス三大急登でもある。烏帽子小屋まで標高差約1,200mをコースタイム5時間30分の道のりだ。急登好きにはたまらないコースだろう。このポイントの左側には小さく流れる沢で水を補給できる。公に水場となっているのでそのまま飲めるのだろうが、普通の沢水だったので、浄水器などで濾過した方がよさそうに見えた。

登り始めると、序盤は鉄製階段があったりと結構急だったけど、そこを抜けると後は九十九折れ気味の登山道が続き、岩や木の根の小刻みな段差が心地よくとても登り易かった。急登と聞くと、傾斜がキツくて大きな段差を一気にガツガツ登るイメージを持ってしまうが、ここの登山道はそういうタイプではなかった。岩や根っこがたくさん足の置き場を作ってくれてるお陰で、自分のペースに合わせてじわじわ登ることができ、とても整備された登山道の印象を受けた。途中の各ポイントで、11番から始まって小屋の0番まで番号が徐々に減って行くプレートがあったが、普段ならまだそんなに残っているのかと気になってしまうところだが、知らない間にこれだけ進んだのかと前向きに思えるようになっていた。

時期的にあまり期待していなかった高山植物もたくさん咲いていて、登ってはカメラを出し、仕舞ってはまたカメラを出しを繰り返して、後から来る登山者に何人も抜かれてしまった。途中で同じようなペースで登る方がいたので少し話すと、翌日は雲ノ平へ行き、高天ヶ原へ行ってからどうするかはまだ決めてないとのことだった。明日、あさっては天気が悪いので無理せず気をつけて下さいと伝え、また抜きつ抜かれつを小屋まで続けた。この方はテン場でも近い位置に張られていたので親近感が湧いた。

セリ科の花
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タマガワホトトギス
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もう少し早ければお花畑だったと思う。
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センジュガンピ
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ノコンギク
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オククルマムグラ
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原生林の雰囲気に赤い実がアクセントに。
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これまた原生林っぽい緑が綺麗な斜面。
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ソバナ
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オミナエシ
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アキノキリンソウ
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営業小屋での1泊のテン泊なので、ある程度荷物を減らせるのがいい。今回は、山と道MINI25LにStuff Pack XLを付け、出発時のPack Weightはジャスト9kg。水2L、レンズ1本(645g)、三脚(565g)も込み。カメラ機材をもう少し何とかすれば劇的に軽量化出来るのだが、この辺りの妥協点は永遠のテーマだろう。寒気が入る見込みということで、星撮りを想定し中間着をやめてダウンに変えた。テントはいつものKhufuで、マットはMINIの背面パッドにもなっているMinimalist Pad。シュラフはモンベルの#5。その他不要なものを削り、行動食はチョコレートや柿ピー、ソイジョイをメインにし、食事は玄米焼き米を選んで極力軽量化してきた。

小刻みに標高を上げられたお陰で体温の上昇を抑えられ、水は結局小屋まで700~800mlくらいしか飲まなかった。行動食も食べたのは3つだけだった。この時期は、暑さで体力を消耗してしまう上に、重い荷物や急坂となると体温が上がって汗をかき、それを補う為に大量の水が必要になる。水場のないコースでは、より多くの水を担ぐ必要がある。持つ水の量と背負う重量のバランスは、夏山では誰もが悩む点ではないだろうか。そういう意味でも、先日使った日傘(晴雨兼用)や、いつも携行している扇子などは、少なからずその悪循環を抑えるギアの一つとして、その重量分を担ぐだけの価値はあると思う。

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カニコウモリ
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4時間ほど歩くと徐々に展望が開けてきて、船窪への縦走路、蓮華岳、針ノ木岳も姿を現した。高瀬ダムの対岸には餓鬼岳から燕岳への稜線も見えている。樹林帯を黙々と登るなかで、少しずつ展望が開けていく感じがとても好きだ。自分の足で確実に標高を上げていることを実感出来る瞬間だ。縦走路を眺めていると、早く烏帽子岳を見たい衝動に駆られた。標高が上がると、涼しい風が火照った体を冷やしてくれて気持ちいい。今日は薄曇りで直射日光を受けないで済んでいるので幾分か助かっているが、それでも抜きつ抜かれつしていた方や、他のテン泊の重装備の方たちは、少し苦しそうに見えた。僕は9kgほどなのであまりしんどくなかったし、嫁さんはもっと軽いので難なく付いてきていた。

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ヨツバシオガマ
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ダケカンバ林
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タカネニガナ
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エンレイソウ
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セリバシオガマ
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七倉ダム
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ベニバナイチゴ
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ウサギギク
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オトギリソウ
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尾根を登り切る手前で前烏帽子岳が見え、さらに左手にはお花畑が広がっていた。時期が遅いと思っていたが、色んな種類の花が咲き乱れて大群落となっていた。薄曇りの間からいいタイミングで光も入ってくれて、ここまで頑張ったご褒美をくれたようだった。最近EOS Mを使ってる嫁さんも、頑張って花撮りをしていた。二人とも、ちょっと前まではアルプスの高山植物しか撮っていなかったが、このところ低山の山野草も撮りだしたので、同じ花と分かっていても通過出来ずについつい撮影してしまっている。その分時間がかかるし、しゃがむのも結構しんどいし、先日の山行では、えらいもんに足を踏み入れてしまったなぁと、ふと思ったことがあったが本当にその通りだ。気に留めずにスルー出来たら楽なのにと思うことが多くなった。

オトギリソウの群生
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チングルマの果穂
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ミヤマリンドウ
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ムカゴトラノオ
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ホツツジ
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コウメバチソウ
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七倉ダムを囲む山並み
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登り切ったところにこの看板。烏帽子小屋はここからちょっと下ったところにある。
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ゴゼンタチバナ
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烏帽子小屋前のお花畑越しに赤牛岳と薬師岳。薄曇りながらもそこそこ遠望がきいていた。
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お花畑の真ん中にコマクサ
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標高2,520mに建つ烏帽子小屋。左端には0番のプレートが。
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小屋でテントの受付をして、諸々の説明を受けてからテン場に向かった。テント代は一人一泊800円なので、二人で1,600円を支払った。テン場にはトイレも水場もないので、小屋まで戻って来る必要があった。ただし、小屋が開いてるのが5時~19時なので、水を買えるのはその時間だけだ。水は1L=200円、500ml=100円。500mlで売ってくれる小屋は珍しい。トイレは小屋の外の建物になっているので、時間は関係なかった。小屋の中には入ってないので詳しくは分からなかったが、こじんまりとした感じのいい小屋だった。受付の方たちの対応もよくて、ちょっと会話した感じからもいい印象を受けた。今日は比較的予約が少ないと言っていたが、登山中も人が少なく、お盆の天候が悪化したので皆控えたのではと思った。

テン場は地面が硬めの砂地だったので、ペグがうまく刺さるか気になったが、何とか外れることもなさそうな程度にうまく刺さってくれた。ペグはMSRのカーボンコアステイク(5g/pcs)と、好日で買ったクロスペグ(13g/pcs)を持ってきたが、こういう地面ではやはりクロスペグの方がしっかり刺さってくれて安定感があった。翌日ペグを抜く際にその違いをよく実感出来た。少し離れたところにグレーのKhufuが一張りあって、テントを開けて短パン姿で寝ているのが見えた。チラッと中に置いているギアが見えた感じから、さらに軽量化がブラッシュアップされた印象を受けた。

幕営が終わり、荷物もだいたいの整理が出来たところで、烏帽子岳ピストンに必要な荷物だけザックに入れて烏帽子小屋に立ち寄った。昼食はカレーかカップヌードルということだったので、ご飯を食べたかったので二人ともカレーを注文した。冷ご飯ならすぐに出ますが15分待って頂いたら焚きたてをお出しできます、ということだったので15分待たせて頂いた。焚きたての温かいカレーは、一つが少し大盛りになっていたので僕がそっちを食べた。多過ぎてしんどかったが、ここまでエネルギーを使ったのでたっぷり補給出来た。コーラがなかったのでCCレモンも注文し、ほとんど飲み干してしまった。やはり登りで水分をもう少し摂らないといけなかったのだろう。営業小屋を通る山行では、ピストンでも縦走でも昼食は極力小屋で食べるようにしている。軽量化も出来るし小屋にお金も落とせるし、これからも積極的に利用させてもらうつもりだ。お金を落とすという面では、バッジや手拭なんかもマメに購入しているが、同じような手拭が増えてきて、そろそろ違うものにしようかと悩んだりしている。

小屋番に聞くと、前烏帽子まで30分くらいで、烏帽子岳はさらに20分くらいとのこと。写真や景色を楽しみながらのんびり歩いて往復2時間ちょいか。17時過ぎに戻って来る予定で、烏帽子小屋を15時前に出発した。

テン場と三ツ岳
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美味しかったカレー
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サコッシュの中身。サコッシュはRIDGE MOUNTAIN GEAR。サングラスは最近Amazonで買った1,990円の安ものだが、いっちょ前に偏光レンズで他にもミラーやブルーなど4つのレンズが付いている。造りはちょっとヤワイが十分使える。
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つづく
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| 北アルプス、飛騨山脈 | 15:26 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

COOPERさん、おはようございます。

結局、この夏は行けなかったアルプス遠征、
COOPERさんのお写真で楽しませていただきます(笑。

それにしても最近は8月でも台風が来たり、
秋雨前線の影響が出たりと、長期縦走の計画も難しいですね。

珍しい黄色のホトトギスや、その他たくさんの花撮りも板についてきましたか(笑顔。
壮大な山容とテントの風景が良いですね。
色んなテント場でこういう写真も撮り続けて、
特集してみるのも面白いかもと感じます。

| ke-n | 2015/08/24 08:26 | URL |

思い出のコース

cooperさん、こんにちは。

去年行ったブナ立~赤牛~黒部湖を思い出しました。
七倉のトイレ新設されてますね。
後立山エリア独特の黄色い案内板。

「えらいもんに足を踏み入れてしまったなぁ」
低山の山野草も気になりだしちゃいましたか!!

カメラ機材、水を入れて、テン泊装備9キロはすごいなぁ~。

僕は烏帽子には寄らなかったので続きを楽しみにしてます。

| climb like | 2015/08/24 17:44 | URL |

Re: タイトルなし

ke-nさん、こんばんは。

北アルプス遠征、今年は僕も天気に悩まされてます。。。
昨年もピンポイントで高気圧を狙って1泊で行きましたが、
なかなか思うようにいかないですね。
完璧な天候ではなかったですが、北アルプスの景色を写真で楽しんで頂けたら幸いです。

黄色のホトトギスは珍しいのですね。まだそのあたりはよく分からないで撮ってますが、
花撮りすること自体はだいぶ慣れてきました。マクロだけでなく、
絞って葉っぱを入れた一枚も撮っておき、後で名前を調べやすくしたりとか。
そんな感じで、花を見つけてしまうと時間が掛かってしまいます。

テントの特集は面白いですね。Khufuはテーマの一つとして意識的に撮って
いますが、テント場全体の雰囲気というのもまた違った目線で楽しいですね。

| COOPER | 2015/08/24 23:33 | URL |

Re: 思い出のコース

climb likeさん、こんばんは。

昨年のlikeさんの縦走レポ、当然参考にさせて頂きましたよ。
僕は赤牛を登って黒部ダムが徐々に見えてくる感じを味わいたくて
逆回りを選びましたが、残念ながら今年は実現しませんでした。
いつか連休が合えばこの辺りをご一緒したいですね。
七倉のトイレは昨年の状態とは違ってるのですね。綺麗でよかったですよ。

低山の山野草は、今年の孫太尾根からです。
アンニョン先生と花の多さに感動したあの山行から気付かないうちに
ハマってました。

9kgはPack Weightなので、斜めがけしてるカメラとレンズ(計1.3kg)は別ですね。
今回の軽量化はシュラフが効いてますが、食べ物もジャブのように効きました。
行動食と夕食はgあたりのカロリー重視で見直したら少し減らせましたよ。

| COOPER | 2015/08/24 23:51 | URL |















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