稲村ヶ岳
愛知からclimb likeさんとMさんが大峰に来られる!ということで、極上の霧氷を見てもらおうと、稲村ヶ岳、山上ヶ岳、釈迦ヶ岳を候補に挙げるも、日帰りでの登頂、愛知からのアクセスなどを考え、稲村ヶ岳にしました。愛知からの距離は200kmほどですが下道が長いので、4時間ほど掛かってしまうようです。大峰らしさという点では山上ヶ岳や釈迦ヶ岳、弥山・八経ヶ岳がいいなと思ってましたが、また別の機会に案内することに。
道の駅黒滝で7時に合流し、8時に母公堂を出発。序盤はノーアイゼンで行くも、時折スリップし始めて、法力峠で観念してアイゼン装着。いつも思いますが、序盤から付けておいたらこんなに神経を使わずに済むのに。
愛知組も知っていたマンモスくん。
プチ渋滞です。
樹に着く雪が積雪から霧氷に変わり始め、バックが白でもなかなか綺麗。でも青空欲しいな~、今日は昼頃から来るで~、と皆この時は余裕でしたが・・・。
眼に映る面積が徐々に白に支配され始めました。
凍てつく森。これは稜線に出たら期待できそう。
危険なトラバース。雪が緩くて怖かった。
小屋手前の橋桁崩壊地。
ここも雪が緩くて要注意でした。
昨年はここの斜面を登って小屋に出ましたが、今日はこのままトラバースでも問題なさそう。
ロープが出てるので助かります。
稲村小屋に着くと、より一層厳しい世界が迎えてくれます。前から一人下山されてきましたが、ソロでトレースがなかったので途中で戻って来られたようです。これからご一緒しませんかと言いそうになりましたが、責任も取れないのでやめておきました。
ke-nさんのタイムリミットが迫っているので、先に昼食にしました。時間も11時だったのでちょうどよかったです。
インド土産のマンゴーティをタイのククサで飲みました。思ったより木の温もりを感じることが出来て気に入りましたが、保温効果が全くなく、すぐに冷めてしまうので、こんなのを撮ってる場合ではないみたいです。
今日もke-nさん調達の焼き肉を頂きました。ありがとうございました!
昼食後、山頂に向けて再スタートしますが、グローブが汗で冷えたからか、なかなか手先が温まりません。そして、先の丘のところでke-nさんとお別れです。今シーズン、またどこか大峰ご一緒しましょう。
さて、この先を進むと凍てつく猛威に耐え抜く精鋭たちがそこら中に現れます。
西側斜面の夏道のトレースをそのまま続くと、尾根の上から声が聞こえました。稲村小屋まで抜きつ抜かれつしていたご年配のソロの方でした。途中でトレースが終わってるので尾根がいいよと教えてくれました。そのままトラバースをラッセルしても距離も斜面もそれほどでもないだろうと思いましたが、今年の2月も尾根道だったのでまぁ尾根にしようかと、シャクナゲ地獄を覚悟して上に上がります。
尾根に出ると、2月に見たのと同じ木々が同じように凍てついています。
先ほどの方はもう止めておくと言って戻って行かれ、僕たちは狭いシャクナゲ地獄と腰ラッセルに苦しめられながらも何とか進みます。
ふと、「トラバース普通に通ってるで~!」とアンニョンさんの声が後ろから聞こえたので見てみると、男女のペアが何の苦もなく通る姿が見えました。「やられた・・・」と思いましたが今さら戻るのも面倒なので、シャクナゲを漕ぎ正面に大日山が見える降下点までそのまま進みました。尾根の途中、東側の派生尾根に向かう変なトレースがあったので、たぶんあの方は道を間違えたのだと思われます。やはり他人の情報はそのまま鵜呑みにするものではないですね。
正面に大日のトラバースが現れ、2月の感動が甦ります。
無駄にラッセルで体力を使ったので、トラバースに入る前に息を整えます。奥に見える先ほどのペアの方たちは、夏道はトレースもあって全然楽に歩けたよと教えてくれました。
予報ではそろそろ青空が出るところですが、この空の様子にさすがに諦めムードが漂い始めます。
この時期の雪は緩くて、ここのトラバースでも少し崩れる箇所があり要注意でした。2月の締まった雪の方が歩きやすかったですが、滑落すると2月の雪では止まらない感じだったので、どちらも危険ですがこの時期の方がましなのかなとも感じました。
大日トラバースの後半も雪が少なめで歩きやすかったです。
夏道全体にまだ雪が埋まっていないので、先行だったとしてもルーファイは不要だったでしょう。
キレットから大日山。ガスが深まります。
山頂手前でふと見上げると、遂に青空が!チャンスは今だけとばかりに撮影が始まります。この青空はすぐに消えたので、とりあえず山頂へ向かいます。
稲村小屋から1時間15分で登頂。夏道で先行者ありだったので、C.T.は無積雪期とあまり大差はありませんでした。トレースありがとうございました。
※climb likeさん撮影(5DⅡ)
再び太陽出たか~!と思ったらまだ雲の向こう。
時折こんな感じで明るくなるものの、青空は現れず。それでも、気温はマイナス5℃ほどで、太陽の気配に少し暖かいほど。
そろそろ青空来るぞと、先に鉄剣を見てもらいに行きます。
すると、途中で雲が流れて待望の青空が!今度こそ来たぞと歓声が上がります。
興奮気味に山上ヶ岳を説明するアンニョンさん。
青空との更なる絶景を求めて、急いで鉄剣をクリアしに向かいます。
三人でラッセルを交代しながら、楽しい~!また歓声が。
難なく鉄剣を見つけ、likeさんたちに喜んで頂いてる間にも雲は一気に流れていき、みるみる青空が広がっていきます。
真っ白な山上ヶ岳もようやく姿を現し、稲村ヶ岳を取り囲むように走る大峰山脈の絶景を楽しんでもらえました。
そして、大日山には奇跡的な光と雲と青空が!
大日山は今日はいいだろうということでスルーします。
大普賢岳も綺麗に見えてます。今シーズン、チャレンジしようかしまいか・・・。
大日山のコルに戻ると、行きにはなかった青空にここでも撮影会が始まります。
傾き始めた光が霧氷を照らし、青空バックに素晴らしい景色が広がります。愛知組にここまで見てもらえて、遠くから来てもらった甲斐がありました。
夏道のトラバースを戻ると、おとぎの国のような世界が。濃紺の青空に霧氷、なかなか簡単には見れないよと、皆、撮影が続きます。
最後はキラリで締めくくり、
小屋で小休憩します。
例の如く、これを撮影している間に猫舌の僕にはジャストな按排になってました。
下山はもう撮影なしやで、なんて言った尻から・・・。
いつか案内することを胸に誓い、共に弥山を望みました。
反対側の観音峯という山から見たらカッコいいですよ、とうんちくを言いながら今日楽しませてもらった大日山を木々の隙間から覘きました。
その観音峯方面にそろそろ陽が暮れていきます。
大天井ヶ岳?のアーベン。
暗い植林帯がピンク掛かった瞬間に見上げて撮影した最後のご褒美。
ラストの樹林帯は暗くて難儀したものの、17時20分に無事下山完了。clime likeさんたちには、冬の大峰の魅力を青空付きで体験してもらえて良かったです。往復のドライブも含め、本当にお疲れ様でした!また大峰にお越し頂くことを心よりお待ちしております!
11月のタイの記事から、訳あって久しぶりにLightroom4も混ぜて使ってますが、なかなか思うように調整出来ず、結局、DPP4と同様に露出の調整くらいしか行えていません。せっかくある機能、使わないともったいないので、来年はもう少し使いこなせるように勉強してみようかと思いますが、果たして…。
◆ログ(HOLUX M-241)
◆C.T.
8:03 母公堂
9:04 法力峠
10:51 稲村小屋~昼食 11:50
12:27 大日山トラバース
13:05 稲村ヶ岳~撮影 13:30
13:53 鉄剣
15:00 稲村小屋~休憩 15:30
16:30 法力峠
17:20 母公堂
撮影機材
EOS 6D
EF14mm F2.8LⅡ・USM
EF24-70mm F4L・IS・USM
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| 大峰山系 | 00:52 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑
参りました
COOPERさん、おはようございます。
当日はお疲れ様でした、そして計画から引率まで
本当にありがとうございました。
僕が先に下山したから出た青空ということにしておきましょうか(笑。
もし自分も見れていたら、これほど冷静に撮れていたかなと思うような
お写真の数々、お見事です。
白く輝く霧氷と雲が散っているような青空のマッチングはものすごく好みですし、
最後の一枚もとっても良いですね。
お正月はその強運を少し分けていただけることを切に願います(笑顔。
| ke-n | 2014/12/29 08:13 | URL |