針ノ木岳
この度は、御嶽山の噴火により亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
9月の3連休は3日とも天気が良さそうなので、2泊3日でclimb likeさんが歩いた裏銀座~読売新道~黒部ダムを歩く予定でしたが、3日目は早めに帰る必要があったのでこのルートは諦めました。代案として、このエリアで以前から歩きたかった針ノ木岳に登ることにしました。ここなら扇沢から周回も出来ますし、晴れれば正面には剱岳・立山を間近に見れ、眼下には雄大な黒部ダムを見下ろせます。この絶景を見てみたいと前から思っていました。
いつもどおり金曜の仕事終わりで21時30分頃に自宅を出発。3時前に扇沢に到着し、第二無料駐車場が辛うじて1台空いていて滑り込みセーフ。今日の行程は針ノ木小屋までなので7時過ぎまでしっかり寝ました。寝る時はかなり冷え込みましたが、この時間になると日が出てきて温かくなってきます。ちなみに、後で分かりましたが第二駐車場は前日にオープンしたばかりのようです。
予報どおり快晴です。

扇沢駅。針ノ木岳~種池までの縦走路が見えてます。

左奥は爺ヶ岳かな。


針ノ木岳登山口は扇沢駅の左手にあります。8時45分頃スタート。

序盤は終始縦走路が正面に出てきます。


針ノ木岳

枯れた沢を間違えて登られたカップルが下られてきました。左へ渡るのが正解でした。この方たちとはテン場で同じになりました。

ブナが綺麗な森です。

ke-nさんやmakosurfさんが好きそうな苔ゾーン。

ブナがとにかく綺麗でした。


白樺も綺麗。

景色が開けて、正面の沢に木橋と先ほどのお二人が見えてます。針ノ木岳は遥か奥で、見えてるけどまだ遠い典型です。

キオン

縦走路は雲が湧いてきました。

1時間ほどで大沢小屋に到着。小屋は先週で閉じてしまっていて、狭い入口付近に3パーティが休憩しています。次々と登山者がやってきたので、僕たちは水と行動食を軽く摂り、先に進みます。

この先で、なんとブロ友の段平とすれ違っていました。顔出しされていないので、僕は全然気付きませんでした。段平さんはほぼ間違いないと思われていたようですが、それでも半信半疑で声を掛けられずとのことで、そのまま先を行かれました。大阪からこんなに離れたところでピンポイントにすれ違うなんて凄いことです。次回は是非お声掛けくださいね。
段平さんのレポはこちら→http://cosmos728.blog90.fc2.com/blog-entry-473.html


要所には有難い梯子が整備されています。

森を抜けると開けた谷が見えてきました。その谷は針ノ木岳に向かっていて、ところどころ雪渓が見えます。日本三大雪渓の一つ、針ノ木雪渓です。

沢でセイシェルに水を補給します。今日は日差しが暑く、久しぶりに体力が奪われそうだったので、ちょっとだけ足をクールダウン。冷たくて10秒も浸けていられませんでした。

ピンクのシシウド。ちょっと枯れかけです。

ここからは足場がよくない区間が続きます。

整備された木橋が助かります。


雪渓は通行止めで歩けませんでした。雪融けが進んで大変危険な状態です。落石も結構ありました。

この山域は比較的静かな山歩きが出来ることで有名ですが、今日はこの遅い時間でも続々とやってきます。3連休なのもありますが、久しぶりのすっきりした晴れ予報に、皆さん夏のうっ憤晴らしのようです。テン場でご一緒した方も同じことを言われてました。

このあたりまでは、足場が緩くて足に負担が掛かりました。雪渓をそのまま登れたら楽だろうなと思いました。ここから対岸に渡り、岩登りが少しあります。雪渓を通れないので何度も高巻きを強いられます。


トリカブト

ミヤマママコナ


ミヤマダイモンジソウ

ミヤマキンポウゲ


コウメバチソウ

ヨツバシオガマ

野苺。すれ違った方が食べれると教えてくれましたが、少し渋かったです。

稜線が近づいて来たら最後の九十九折に入ります。ジグザグで傾斜が緩くて歩きやすいのですが、ここまでキツイ登りが続いたので少々疲れてきました。

ここのテン場はサイトが小さいので、途中からペースを上げてテント装備のパーティを3パーティくらい抜きました。それでも時刻が13時頃とお昼を回ってるので焦ります。

ラストスパート!

イワギキョウ

ようやく針ノ木峠です。

13時20分、針ノ木小屋に到着しました。テントの受付に行くと、先に場所を確保してきてと言われ、慌てて場所を見に行きます。しかし20ほどのサイトは全て埋まっており、張れそうな場所はありません。小屋番に伝えると、10分ほど登ったハイマツ帯の脇に緊急用の広いスペースがあるので、そこに張って下さいと紹介頂きました。どうやら僕たちが一番乗りのようですが、後続が気になったので急いでコーラ、バッジ、針ノ木岳Tシャツなどを買い、緊急用サイトへ向かいます。

W.Cや水場はありませんが、先ほどのサイトに比べて広くて展望もいいので、全然こっちの方が快適だと思いました。

後から来られたKhufuキューベンのソロの方と、後ろのエアライズ?が枯れ沢を間違えて登られたカップルです。キューベンの方は明日船窪まで歩かれるそうです。針ノ木岳も望めるし、稜線に剥き出しというわけでもないので、いいサイトです。

北葛岳、七倉岳の稜線。

蓮華岳と針ノ木小屋。時間もあるので蓮華岳に向かいます。蓮華岳は、一旦針ノ木小屋まで降りてからまた登り返します。


小屋まで降りて蓮華岳に少し登り返したところで振り返ると、今度は針ノ木岳が見えました。写真中央の少し上あたりが僕たちが張った緊急用のスペースです。

針ノ木小屋とテン場。このテン場はサイトが区切られていて番号が付けられていました。Khufuにはちょっと狭い感じでした。小屋の奥の斜面にWCとテントサイトが隠れています。

最初の急坂を登り切ったところで蓮華岳方面が開けます。

北アルプスの奥深く、裏銀座方面に光が射し込むと神秘的な光景に。

来た道を振り返るとガスが覆ってきました。

ピークに着き、ここが蓮華岳かと思ったらまだ続きがありました。ここで小雨がパラつき始めます。

早くも色づいてる草黄葉。コマクサの葉も黄葉してます。(中央付近)

若一王子神社奥社

蓮華岳に到着です。

三角点もあります。正面の尾根は東尾根です。

振り返ったところ。左が縦走路です。嫁さんがどうも調子が優れないというので、明日は縦走せずにピストンすることにしました。


オヤマソバの草黄葉が綺麗。



凄いガスが湧いてきました。

写真中央に、khufuキューベンの方がテントの傍におられるのが辛うじて見えます。

このまま夕景は見れず、裏銀座はガスに包まれていきました。小屋で水を2L購入し、テン場へ戻ります。

夕食はカップヌードルリフィル、アルファ米で牛丼(アマノフーズ)、ウインナー、スープ、などを作りました。夕食後、1時間ほど撮影しましたが、雲が多かったので早々に切り上げました。


翌朝、5時過ぎに目が覚めると朝のドラマがちょうど始まっていました。昨夜の雲が嘘のように快晴で、夜中3時に目が覚めた時に迷った末に寝てしまったことを後悔しました。正直、縦走しないことになったので油断してました。。。キューベンの方は出発の準備をされてます。



槍ヶ岳と裏銀座。水晶岳も見えます。

八ヶ岳、先日登った富士山、南アルプスもくっきり。

北葛岳、七倉岳の稜線。右奥には燕岳、大天井岳も。

そして反対側には、種池への縦走路、鹿島槍ヶ岳~白馬岳までの後立山の山々。鹿島槍はちょっと抜き出た存在。

さて、僕たちも針ノ木岳に向かいます。


少し登ると展望が開けます。赤牛岳、薬師岳。

高瀬ダム、槍穂高、表銀座、常念岳もチラッと顔を出してます。右奥は乗鞍岳。

後立山と新潟の山々。

30分ほどで針ノ木岳に到着。アレ、もう着いたと思ったら、テン場がすでに小屋からだいぶ上にあったからでした。

立山と剱岳、黒部ダム。この景色が見たかったんですが、実際立ってみるともの凄い絶景です。黒部ダムにまだ光が届いていないのは残念でした。縦走したら確実に計算どおりに光が届いたハズですが・・・。

立山

剱岳。カッコ良過ぎです。ただ、唐松から見た時の方が角度的にイカツかったです。

裏銀座と薬師岳。

裏銀座~水晶岳~赤牛岳~読売新道。当初歩く予定だった縦走路です。climb likeさんが先日歩かれたルートでもあります。晴れたらこんなに絶景です。

種池への縦走路、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、唐松岳、白馬三山。贅沢極まりない景色。このまま下っていきたい・・・。

縦走路を歩けばこの景色をずっと見れるでしょう。スバリ岳か赤沢岳あたりからがちょうどよさそう。来年種池から歩きたいです。

五色ヶ原

薬師岳、北薬師岳。金作谷カールは北薬師岳から見た方が迫力あります。

高瀬ダム、槍ヶ岳、裏銀座。乗鞍岳と鷲羽岳も。

これだけの絶景、記念に撮って頂きました。20分ほど景色を楽しみ、名残惜しくテン場へ戻ります。


何してるんだ早く来いよ、と言っているかのように剱岳がこちらを見ていました。

朝陽を受けるKhufu Sil。この佇まいがたまりません。

朝5時の室内気温は2℃で、ガッツリ結露してましたが、戻ってきたら水滴はほとんどなくなってました。外の空気が気持ちいいので、散らかってますが全開にして朝食を食べます。今回のスリーピングシステムは、Z lite Sol(90cm)、シュラフ#3、クロージングは歩く時と同じ長アンダーと半Tシャツの重ね着(ダウンや中間着、レインも着ず)、テント内で足元が寒かったのでフリースソックスを重ね履きしシュラフでもそのままで寝ました。枕はモンベルのU.L.コンフォートシステムピローです。

裏銀座方面の山々。来年か再来年か分かりませんが、こんな快晴でいつか歩きたいです。

北アルプスを全部望める針ノ木岳。ドが付くほどの快晴で登ることが出来、予想以上の素晴らしい展望が広がっていました。色々考えてみると、これだけ贅沢な景色はココからしか見られないのではないかと思います。縦走は出来ず残念でしたが、これだけの景色が見れたので十分でした。段平さんとはまたどこかでお会いしたいですね。その時はお声掛け宜しくお願いいたします。
比較的静かに歩ける山、そんな売り文句はどこへやら、8月の悪天のうっ憤が溜まった登山者が詰めかけ針ノ木小屋は250%の盛況ぶりだったとか。この日、お気に入りの山が一つ増えた登山者は僕以外にもたくさんおられたことでしょう。
◆ログ(HOLUX M-241)
◆C.T.
<9/13(土)>
8:45 扇沢
9:55 大沢小屋~休憩 10:03
13:20 針ノ木小屋~テント設営・休憩 15:40
16:47 蓮華岳
17:46 針ノ木小屋
<9/14(日)>
6:00 テン場出発
6:35 針ノ木岳~撮影・休憩 6:55
7:34 テン場~朝食・撤収 8:45
8:53 針ノ木小屋
11:13 大沢小屋
12:06 扇沢
◆温泉
大町温泉郷 薬師の湯
http://www2.plala.or.jp/yakushino-yu/index.htm
営業時間)7:00~21:00(2014/7/1~10/31)
撮影機材
EOS 6D
EF14mm F2.8LⅡ・USM
EF24-70mm F4L・IS・USM
Velbon シェルパアクティブ2
スポンサーサイト
| 北アルプス、飛騨山脈 | 22:28 | comments:8 | trackbacks:0 | TOP↑