穂高連峰縦走 DAY1
2016夏休み!今年テーマにしている穂高へ行ってきた。この冬は西穂高岳に登り、初夏には蝶ヶ岳から槍穂高を眺めた。西穂高岳は夏にも是非登っておきたいと思っていたので、西穂から槍ヶ岳まで歩く計画を考えたが、一般登山道の中でも北アルプス屈指の難度を誇る穂高縦走。体力・技術において簡単ではないことが想像出来る。今の岩稜歩きの実力を知る為にも、この長い岩稜線を分割して歩くことにした。槍穂縦走を経験済みの先輩アンニョンさんから、大キレットは普通にいけば問題ないが奥穂~西穂の区間は怖かったと聞いていたこともあり、ジャンダルムは今回パスして奥穂~槍までを歩く計画とした。
アカンダナ駐車場に1時頃に到着し、開門3:30まで門の前で仮眠して待った。始発のバスで上高地線に入ると、朝の気持ちいい景色が車窓から飛び込んできた。大正池で三脚を立てるカメラマン、梓川の河原を歩く人たち、清々しく心地よい時間が流れていた。上高地に着くと売店が開いていたので、コロッケと豚汁を注文し、小腹を満たした。上高地は相変わらず登山者で溢れていて、前日開催された山の日全国大会の賑わいに劣らない混雑ぶりだった。

朝の河童橋は空気がおいしくてとても気持ちいい。正面に見えている吊尾根と奥穂に向かって、快晴の中歩きだす。

反対側は焼岳が見えた。

朝の光が最高に心地よかった。


岳沢湿原はとても幻想的で、のんびり撮影したかった。

素通りするのがもったいなくて、少しだけ贅沢な時間を過ごす。


ここから岳沢への登山道に入っていく。

30分ほどすると7番標識の風穴に到着。岩の隙間に手を入れるとひんやりした風が気持ちいい。

岳沢までの登山道は綺麗に整備されていてとても歩きやすい。花も咲いていて癒される。

開けた枯れ沢に出ると、奥穂とジャンダルムが見えた。ここから樹林帯や枯れ沢を行ったり来たりしながらじわじわ標高を上げていく。

ミヤマシャジン

ヤマハッカ?

アザミ

トリカブト

サラシナショウマ


少し気の早い紅葉も。今年はどうなることか。

上高地からのんびり撮影しながら2.5時間ほどで岳沢小屋に到着。

行動食を食べながらゆっくりしていると登山者が続々と登ってくる。中国語?を話す5~6人のグループや、比較的軽装な中高年ペアや、若い単独女性など。皆、この連休に合わせて色々調整してきたんだろうなぁと思いながら眺めていた。岳沢小屋は数年前に雪崩の倒壊から復活した小屋で(前身は岳沢ヒュッテ)、上高地から奥穂へ一気に登れるので最近人気が高まっているらしい。水源は2ヶ所の湧水となっていて、通過者は100円で好きなだけ分けてもらえたが、9/3以降は水枯れにより100円/1Lになったようだ。
岳沢小屋から少し登ると小さなお花畑があり、秋の花と夏の花が入り混じって咲いていた。前回の蝶ヶ岳といい、今年もアルプスのお花を見れて良かった。

お花畑を過ぎるとここからほとんど岩場の登りとなる。

振り返ると焼岳と乗鞍岳、手前には上高地が見えた。よく見るこの景色だが実際に見ると、日本じゃないみたいな錯覚に陥る。20年ほど前に、観光ツアーでバンフを歩いたことがあるが、その時の景色を思い出した。

展望のいい休憩地だが、そろそろ日差しが厳しくなってきた。

今回歩きたかった西穂~奥穂のライン。

人だかりの見える突き出た岩塊が恐らく紀美子平だろう。その先は前穂高岳へのルートか。どちらにしてもずっと岩場が続いていて、下りの方たちが難儀されていた岩場もあったりした。

適度なアスレチックに、焼岳と乗鞍の展望、最高の登山道だ。

11時。岳沢小屋から2.5時間ほどで紀美子平に着いた。標準CTより少し短いくらいだったが、岩場が続いたり何度も渋滞したりして、思ったよりも時間がかかった。

西穂から奥穂の岩稜線がカッコいい。来年是非歩いてみたい。

前穂に行くか悩んでいたが、穂高岳山荘でテントを張りたかったので、前穂はパスして先を急ぐことにした。

序盤は吊尾根を南側に巻きながら進む。最初に1ヶ所怖い岩場があり、そこでも少し渋滞したが、それ以外は特に怖い場所はなかった。


涸沢と常念山脈。

こういった巻き道だけなら楽だけど、半分以上は岩場だったように思う。

蝶ヶ岳

常念岳


山頂が徐々に近づいてきた。ここから道はさらに険しくなる。

大天井岳から東鎌尾根、燕岳、後立山連峰。手前は北穂高岳南稜コース。

トウヤクリンドウ

ほぼ同じペースで歩かれた方たち。

途中から同じペースだったソロのトレラン女子と、大学山岳部のグループ。



もう山頂は目の前だ。

無事に奥穂高岳に初登頂!

なかなか来れなかったけど、ようやく登ることが出来た。

南を見るとガスがジャンダルムを包んでいた。馬ノ背を越えて向かってくる登山者を見ると、やっぱり歩いたら良かったかな~なんて思った。

長居することなく下山開始。穂高岳山荘に着くとテントはびっしり張られていて、受付に行くと、テン場はもう埋まったので素泊まりしかないと言われた。それと同時に「本日テント場満席」の案内板が立てられた。あと数10分早ければと思うと悔やまれた。

部屋に荷物を置いてから、外のテラスで小腹を満たした。その後、夕食はお米を炊飯し、レトルトカレーを食べた。伝熱プレートとセラミックコートしたチタンコッヘルでうまく炊くことができた。同じテーブルで、年配の女性ペアと山岳会所属のソロ男性と楽しい山談議をさせて頂いた。大阪、兵庫、京都と、皆関西だったので地元の山の話しも出来て大いに楽しめた。

食後は夕景を撮りに涸沢岳に登った。小屋から15分ほどで、南に奥穂高岳、北は北穂と槍ヶ岳が見える。

ジャンダルム

傾き始める夕陽が絶景を見せ始める。



雲が似合うジャンダルム



槍ヶ岳



3人だけの贅沢な時間が流れた。


雄大な穂高連峰の夕景は、近畿の山とはスケールが違うのは十分分かっていることだが、やはり圧巻の景色だった。

ぎゅうぎゅう詰めの布団でなかなか眠れず、しかも熱中症の症状が出てきたので、流星群はパスして寝ることにした。夜中になってようやく眠ることが出来た。いつもそうだけど、収容人数の多い人気の山小屋では、細かいことを含めなかなか思うように過ごせないことが多く、ストレスが溜まる。自由に生活出来るテン泊に慣れているせいだけど、もう少し山小屋での過ごし方を学ばないといけないかな。
つづく。
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| 北アルプス、飛騨山脈 | 17:58 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑