槍ヶ岳縦走 DAY2
8月11日(日)
20:00に布団に入るも、胃が気持ち悪く体も熱い。呼吸も少々苦しくなかなか寝付けませんでした。高山病の兆候か、3,000mの強烈な日差しにやられたか。過去の経験からすると軽い熱中症かな。ようやく寝たのが23時過ぎですが、2時30分に起床。三脚とカメラを持って小屋の外に出ます。体調と体温はましになっていました。
昨日は比較的穏やかだったのに、今日は強風が吹いています。少し風除けになっている場所を見つけて撮影を始めましたが、あまりに風が強すぎて、カメラが倒れないか心配だったので数枚で撮影を終わりました。星は凄く綺麗でした。
槍ヶ岳と常念山脈とオリオン座

CanonEOS M EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 10mm F3.5 15秒 ISO3200
Velbon シェルパアクティブ2
槍ヶ岳山荘と穂先

CanonEOS M EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 11mm F3.5 20秒 ISO3200
Velbon シェルパアクティブ2
朝食の弁当を食べた後、相変わらずの強風の中、日の出を期待しましたがご覧の通り。弁当は、あれはたぶん飛騨牛飯だったと思います。凄く美味しかったです。

超高速でガスが流れる中、夜が明けました。それにしても凄い光景です。


5時25分。いよいよ憧れていた西鎌尾根に突入です。

序盤はガレた急斜面の九十九折れを下っていきます。これから歩く尾根が一望出来るのが縦走の醍醐味です。

朝陽に照らされた硫黄尾根。

笠ヶ岳には笠雲と影槍も。このガレ場は結構滑るので注意が必要です。

チシマギキョウ

豪快な景色が続きます。

6時10分、千丈乗越に到着です。ここで小休憩しました。ここを左に折れると昨日昼休憩した分岐に合流します。

ちょっとしたカールとお花畑でもアルペンムードが漂います。

滑り易いトラバースは慎重に。


要所に鎖が設置されているので助かります。

先はまだまだ長いです。

オンタデ

ここも滑り易かったので要注意です。



朝陽に輝くコバイケイソウ

チングルマと槍ヶ岳

今回の縦走では大人数の学生グループをよく見かけました。

穂高連峰

8時00分。日差しが強くなってきて体力を奪われます。明け方の強風が嘘みたいに止んで結構キツイです。

この辺りから写真を撮り過ぎでなかなか前に進みません。C.T.を大幅に超え始めます。

ミネウスユキソウ

タカネナデシコ

イワオトギリ

ミヤマコウゾリナ

キオン

真ん中あたりに見えるのは鏡平

振り返って槍穂高、焼岳、乗鞍岳。高山植物も楽しめ最高の景色です。足早に通り過ぎるのがもったいないように思い、嫁さんと相談し、今日は行き先に拘らず景色をゆっくり楽しむことに決めました。

イブキジャコウソウ


コバイケイソウと硫黄岳、竹村新道。硫黄乗越付近にて。

ここからの眺めは、左俣谷から西鎌尾根、槍穂高と続く山と谷の広大な景色が圧巻でした。穂高の手前は奥丸山2439.5m。槍穂高と滝谷の展望が素晴らしいと言われる山で一度は登ってみたい山。

ミネウスユキソウの群落。

イワギキョウ

9時55分、ようやく樅沢岳の手前のコルに到着しました。スタートから4時間半掛かってます。

鷲羽岳の左コルに三俣山荘が見えてます。あそこまで行きたいな。


ミヤマトリカブト

オニアザミの開花前?

エゾシオガマ

オニシモツケ、オンタデ、ミヤマトリカブト

10時15分、樅沢岳に到着。鷲羽岳の両側に祖父ヶ岳と真砂岳。

双六小屋が見えてきました。西鎌尾根は思ったより長かったです。

10時45分、双六小屋に到着です。槍ヶ岳山荘から5時間20分、ちょっと掛かり過ぎでしたが、広大な北アルプスの景色と高山植物を存分に楽しめました。時間的にちょうどよかったので小屋の前で昼食にします。今日は荷物を減らすため日清の天ぷらそばリフィルと行動食少々。小屋で買ったCCレモンを一気に飲み干した後は、とうがらし梅茶を飲みました。ここは風が通るのでじっとしているとすぐに体が冷えてきます。
さて、これからどうするか。頑張れば雲ノ平まで行けそうだけど、昨日の槍ヶ岳と今日の西鎌尾根があまりに良過ぎたので、雲ノ平の感動が薄れてしまわないかちょっと心配でした。三俣山荘に張って、明日、雲ノ平ピストンもしくは鷲羽岳と水晶岳を踏んで双六に戻るか。それとも今日双六に張って、明日鷲羽岳と水晶岳ピストンか。色々考えましたが、嫁さんから、もう結構満喫したから今日はここに張って明日下山しよう、と。僕も結構満足していたし、鏡平のかき氷とわさび平のそうめんと新穂高温泉が頭をよぎっていたのも事実。まだまだ歩けるけど嫁さんの意見を尊重し、今日は双六にテントを張って明日下山することにしました。

そういうわけで、Khufu Silのデビューは双六池キャンプ場となりました。テント代は500円/人・泊×2人・1泊=1,000円でした。この時間だと、まだ張る場所を自由に選べます。ゆっくりキャンプ場で過ごすのは久しぶりですが、たまにはいいものですね。ペグは刺さりましたが土が細かく砂っぽいので石も使いました。

やっぱり黄色じゃなくてこの色にして良かった。

ストックのグリップを覆うこのカバーは、Aフレームで設営する為のDPTEアタッチメントの部品の一つです。ドローコードで両方が接続されています。本当は写真のガイライン(黄)だけでなくラインロック(樹脂パーツ)もループに通すのですが、居住性を少しでも上げる為、シェルターを数cmですが上げ気味に設営してみました。DPTEを使ったAフレームなので、「思ったより広いなぁ全然いけるで」と嫁さんもご満悦でした。

昼過ぎの日差しが強烈で、テント内は蒸し風呂状態、かといって外に出ると日差しがどうにもな感じ。ここは風が通るのでましですが、じっとしてるだけでも焼けた腕と膝下を日差しが襲います。やることもないし、せっかくなので双六岳に登ることにしました。今年は中道のコバイケイソウが綺麗との情報をゲットしていたので、中道から周回することに。嫁さんはもうすっかりお休みモードに入ってしまい、テントでゴロゴロしているので行ってらっしゃいと。500mlの水をNanosに入れ、カメラバッグを持って一人で向かいました。

巻き道分岐の手前にて。結構テントが多いです。

中道分岐、右に行きます。

さっそくお花畑です。

雪渓と青空をバックに、輝くコバイケイソウが綺麗です。匂いまでは伝わらないのが写真のいいところでもあります。

双六小屋の水が豊富なわけです。

振り返って樅沢岳と槍ヶ岳と夏雲。

大き目の雪渓。

まだまだコバイケイソウ。

どこまで続くのか。

のんびりと花畑を満喫し、三俣蓮華岳からの尾根に合流しました。ここから双六岳山頂までは25分。

先に見えてるのが双六岳です。

双六岳直下にて。黒部五郎岳と薬師岳が見えてます。次はそっち方面かな。

1年ぶりの双六岳登頂です。

双六岳からのこの景色が好きです。去年は秋だったので草紅葉が綺麗でした。やっぱり秋の方がいいかな。

昨日も今日も、積乱雲がどんどん成長する感じではなく、出来ては流れ、また出来ては流れといった感じで雷雲まで成長しませんでした。ほんとにいいコンディションの時に来れて良かったと思います。


左から薬師岳、三俣蓮華岳、水晶岳、鷲羽岳。

ここの台地が凄く好き。秋の夕景か月夜の時に撮影してみたいです。

テントがえらい増えてます。僕のテントは右から3列目の一番上。最初はなかった大きな赤いテントが隣に立ってます。

双六池キャンプ場はなかなかの賑わいです。

Khufu Silは、クロノスドームのタープ張りに比べると当然狭いけど、僕たち二人なら問題ない広さでした。ただ、クロノスドームのタープ張りなら二人でも前室が作れるので重宝しますが、Khufu Silは二人だと前室を作れないのがちょっと痛いかな。ソロなら空いたスペースを前室として使えそうです。

DPTEの先端は、連結した2本のカーボンパイプにストックの先を挿入して自立させる構造になってます。DPTEの総重量は、このパイプとストックのグリップを覆うカバーも含め84g。よく出来ていると思います。

双六岳から戻り、少し疲れて寝てしまったので、夕景は見ることが出来ませんでした。20時頃に目が覚め、夕食にお茶漬けと行動食を食べて、一人、夜の撮影に出かけました。
C.T.
05:25 槍ヶ岳山荘
06:10 千丈乗越
08:20 左俣岳(巻き)
09:05 硫黄乗越
10:15 樅沢岳
10:45 双六小屋
14:05 昼食~テント設営~休息~出発
14:23 巻道分岐
14:26 中道分岐
15:09 三俣蓮華岳側中道分岐
15:30 双六岳
15:45 休憩~出発
16:22 双六小屋
つづく
撮影機材
EOS M
EF-M 22mm F2 IS STM
EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
マウントアダプター
Velbon シェルパアクティブ2
20:00に布団に入るも、胃が気持ち悪く体も熱い。呼吸も少々苦しくなかなか寝付けませんでした。高山病の兆候か、3,000mの強烈な日差しにやられたか。過去の経験からすると軽い熱中症かな。ようやく寝たのが23時過ぎですが、2時30分に起床。三脚とカメラを持って小屋の外に出ます。体調と体温はましになっていました。
昨日は比較的穏やかだったのに、今日は強風が吹いています。少し風除けになっている場所を見つけて撮影を始めましたが、あまりに風が強すぎて、カメラが倒れないか心配だったので数枚で撮影を終わりました。星は凄く綺麗でした。
槍ヶ岳と常念山脈とオリオン座

CanonEOS M EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 10mm F3.5 15秒 ISO3200
Velbon シェルパアクティブ2
槍ヶ岳山荘と穂先

CanonEOS M EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 11mm F3.5 20秒 ISO3200
Velbon シェルパアクティブ2
朝食の弁当を食べた後、相変わらずの強風の中、日の出を期待しましたがご覧の通り。弁当は、あれはたぶん飛騨牛飯だったと思います。凄く美味しかったです。

超高速でガスが流れる中、夜が明けました。それにしても凄い光景です。


5時25分。いよいよ憧れていた西鎌尾根に突入です。

序盤はガレた急斜面の九十九折れを下っていきます。これから歩く尾根が一望出来るのが縦走の醍醐味です。

朝陽に照らされた硫黄尾根。

笠ヶ岳には笠雲と影槍も。このガレ場は結構滑るので注意が必要です。

チシマギキョウ

豪快な景色が続きます。

6時10分、千丈乗越に到着です。ここで小休憩しました。ここを左に折れると昨日昼休憩した分岐に合流します。

ちょっとしたカールとお花畑でもアルペンムードが漂います。

滑り易いトラバースは慎重に。


要所に鎖が設置されているので助かります。

先はまだまだ長いです。

オンタデ

ここも滑り易かったので要注意です。



朝陽に輝くコバイケイソウ

チングルマと槍ヶ岳

今回の縦走では大人数の学生グループをよく見かけました。

穂高連峰

8時00分。日差しが強くなってきて体力を奪われます。明け方の強風が嘘みたいに止んで結構キツイです。

この辺りから写真を撮り過ぎでなかなか前に進みません。C.T.を大幅に超え始めます。

ミネウスユキソウ

タカネナデシコ

イワオトギリ

ミヤマコウゾリナ

キオン

真ん中あたりに見えるのは鏡平

振り返って槍穂高、焼岳、乗鞍岳。高山植物も楽しめ最高の景色です。足早に通り過ぎるのがもったいないように思い、嫁さんと相談し、今日は行き先に拘らず景色をゆっくり楽しむことに決めました。

イブキジャコウソウ


コバイケイソウと硫黄岳、竹村新道。硫黄乗越付近にて。

ここからの眺めは、左俣谷から西鎌尾根、槍穂高と続く山と谷の広大な景色が圧巻でした。穂高の手前は奥丸山2439.5m。槍穂高と滝谷の展望が素晴らしいと言われる山で一度は登ってみたい山。

ミネウスユキソウの群落。

イワギキョウ

9時55分、ようやく樅沢岳の手前のコルに到着しました。スタートから4時間半掛かってます。

鷲羽岳の左コルに三俣山荘が見えてます。あそこまで行きたいな。


ミヤマトリカブト

オニアザミの開花前?

エゾシオガマ

オニシモツケ、オンタデ、ミヤマトリカブト

10時15分、樅沢岳に到着。鷲羽岳の両側に祖父ヶ岳と真砂岳。

双六小屋が見えてきました。西鎌尾根は思ったより長かったです。

10時45分、双六小屋に到着です。槍ヶ岳山荘から5時間20分、ちょっと掛かり過ぎでしたが、広大な北アルプスの景色と高山植物を存分に楽しめました。時間的にちょうどよかったので小屋の前で昼食にします。今日は荷物を減らすため日清の天ぷらそばリフィルと行動食少々。小屋で買ったCCレモンを一気に飲み干した後は、とうがらし梅茶を飲みました。ここは風が通るのでじっとしているとすぐに体が冷えてきます。
さて、これからどうするか。頑張れば雲ノ平まで行けそうだけど、昨日の槍ヶ岳と今日の西鎌尾根があまりに良過ぎたので、雲ノ平の感動が薄れてしまわないかちょっと心配でした。三俣山荘に張って、明日、雲ノ平ピストンもしくは鷲羽岳と水晶岳を踏んで双六に戻るか。それとも今日双六に張って、明日鷲羽岳と水晶岳ピストンか。色々考えましたが、嫁さんから、もう結構満喫したから今日はここに張って明日下山しよう、と。僕も結構満足していたし、鏡平のかき氷とわさび平のそうめんと新穂高温泉が頭をよぎっていたのも事実。まだまだ歩けるけど嫁さんの意見を尊重し、今日は双六にテントを張って明日下山することにしました。

そういうわけで、Khufu Silのデビューは双六池キャンプ場となりました。テント代は500円/人・泊×2人・1泊=1,000円でした。この時間だと、まだ張る場所を自由に選べます。ゆっくりキャンプ場で過ごすのは久しぶりですが、たまにはいいものですね。ペグは刺さりましたが土が細かく砂っぽいので石も使いました。

やっぱり黄色じゃなくてこの色にして良かった。

ストックのグリップを覆うこのカバーは、Aフレームで設営する為のDPTEアタッチメントの部品の一つです。ドローコードで両方が接続されています。本当は写真のガイライン(黄)だけでなくラインロック(樹脂パーツ)もループに通すのですが、居住性を少しでも上げる為、シェルターを数cmですが上げ気味に設営してみました。DPTEを使ったAフレームなので、「思ったより広いなぁ全然いけるで」と嫁さんもご満悦でした。

昼過ぎの日差しが強烈で、テント内は蒸し風呂状態、かといって外に出ると日差しがどうにもな感じ。ここは風が通るのでましですが、じっとしてるだけでも焼けた腕と膝下を日差しが襲います。やることもないし、せっかくなので双六岳に登ることにしました。今年は中道のコバイケイソウが綺麗との情報をゲットしていたので、中道から周回することに。嫁さんはもうすっかりお休みモードに入ってしまい、テントでゴロゴロしているので行ってらっしゃいと。500mlの水をNanosに入れ、カメラバッグを持って一人で向かいました。

巻き道分岐の手前にて。結構テントが多いです。

中道分岐、右に行きます。

さっそくお花畑です。

雪渓と青空をバックに、輝くコバイケイソウが綺麗です。匂いまでは伝わらないのが写真のいいところでもあります。

双六小屋の水が豊富なわけです。

振り返って樅沢岳と槍ヶ岳と夏雲。

大き目の雪渓。

まだまだコバイケイソウ。

どこまで続くのか。

のんびりと花畑を満喫し、三俣蓮華岳からの尾根に合流しました。ここから双六岳山頂までは25分。

先に見えてるのが双六岳です。

双六岳直下にて。黒部五郎岳と薬師岳が見えてます。次はそっち方面かな。

1年ぶりの双六岳登頂です。

双六岳からのこの景色が好きです。去年は秋だったので草紅葉が綺麗でした。やっぱり秋の方がいいかな。

昨日も今日も、積乱雲がどんどん成長する感じではなく、出来ては流れ、また出来ては流れといった感じで雷雲まで成長しませんでした。ほんとにいいコンディションの時に来れて良かったと思います。


左から薬師岳、三俣蓮華岳、水晶岳、鷲羽岳。

ここの台地が凄く好き。秋の夕景か月夜の時に撮影してみたいです。

テントがえらい増えてます。僕のテントは右から3列目の一番上。最初はなかった大きな赤いテントが隣に立ってます。

双六池キャンプ場はなかなかの賑わいです。

Khufu Silは、クロノスドームのタープ張りに比べると当然狭いけど、僕たち二人なら問題ない広さでした。ただ、クロノスドームのタープ張りなら二人でも前室が作れるので重宝しますが、Khufu Silは二人だと前室を作れないのがちょっと痛いかな。ソロなら空いたスペースを前室として使えそうです。

DPTEの先端は、連結した2本のカーボンパイプにストックの先を挿入して自立させる構造になってます。DPTEの総重量は、このパイプとストックのグリップを覆うカバーも含め84g。よく出来ていると思います。

双六岳から戻り、少し疲れて寝てしまったので、夕景は見ることが出来ませんでした。20時頃に目が覚め、夕食にお茶漬けと行動食を食べて、一人、夜の撮影に出かけました。
C.T.
05:25 槍ヶ岳山荘
06:10 千丈乗越
08:20 左俣岳(巻き)
09:05 硫黄乗越
10:15 樅沢岳
10:45 双六小屋
14:05 昼食~テント設営~休息~出発
14:23 巻道分岐
14:26 中道分岐
15:09 三俣蓮華岳側中道分岐
15:30 双六岳
15:45 休憩~出発
16:22 双六小屋
つづく
撮影機材
EOS M
EF-M 22mm F2 IS STM
EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM
マウントアダプター
Velbon シェルパアクティブ2
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| 北アルプス、飛騨山脈 | 15:00 | comments:6 | trackbacks:0 | TOP↑