七面山 DAY2
翌朝、4時頃に起床しラ王(とんこつ)を食べて身支度をする。昨晩は西風が強かったが、ここ楊枝ヶ宿小屋のテント場は奥駈道から東側に下った位置にある為、ほとんど風の影響はなく、ぐっすり眠ることができた。最低気温は5℃。GWとしてはこんなもんだろう、ダウンを持ってきていたので快適だった。テントを触るとサラサラしていて、全く結露が発生していなかった。たまに起こることなのだが、とても不思議だった。
密集した木の間から輝く月光。天の川も数枚撮ったが木々に重なってうまくいかなかった。

日の出の30~40分ほど前の美しい時間帯。まだ葉を付けていない木々が画になる。
仏生ヶ岳と月
5時10分、太陽は大台ケ原方面から静かに昇った。例の笹原で、避難小屋泊の方と二人で朝のドラマを楽しんだ。
素晴らしい景色だけど、他の宿泊者は皆4時30分過ぎに奥駈道を南下していった。
一緒に朝景を楽しんだ彼は昨日くじいた足が気になっているとのことで、昨日来た道を帰って行った。僕と同じ熊渡からだった。
朝景の後はこれから七面山に向かう。テントは張ったままで、荷物もほとんどテントに置いてきたので、とても身軽だ。写真はP1693に直登中に振り返って撮ったもので、中央に見えるのが夕景・朝景を撮った笹原だ。とても気持ちいい笹原で、景色が抜群なのでお気に入りの場所になった。正面の山は仏生ヶ岳だ。
釈迦ヶ岳。手前の枝ぶりがいい脇役になってくれた。
もう少しでP1693。ダイナミックな立ち枯れが多く、ここも被写体の宝庫だった。
P1693からおはよう、明星、八経、弥山の高峰三座。このまま見続けていたい立派な景色。P1693にある七面山の標識に従い、西尾根に入っていく。
倒木を掻き分けながら尾根伝いにテープを追っていく。序盤に尾根を乗り換える箇所があったので、ガスが出た時は要注意だ。
七面山直下。ここからちょっとだけ急登になる。
切れ落ちた断崖。ルート上を歩けば問題はない。
コルに到着。息を整えてまずは東峰へ向かう。
アケボノ平が見えた。「~平」という名前は何かと人気があるけど、今日は天の邪鬼な性格が出たのかなぜか萌えず、立ち寄らないことにした。併せて予定していた神仙平もパスすることにし、次回、湯ノ又から上がった時に寄ることにした。
コルからひたすら登って5分、東峰に到着。木に囲まれて展望はなかったけど、ずっと来たかったので達成感はあった。
コルに戻って反対側へ進む。
山と高原地図の危険マークや鎖のある岩場も丁寧にクリアし、15分ほどで西峰に到着した。少し展望が開けていたので、ここでエネルギー補給がてら休憩してから来た道をテン場まで戻った。
テントに戻るともうすでに蒸し風呂状態になりかけていた。
2度目の朝ごはん。コンビニおにぎり2個(鮭+ツナマヨネーズ)に炒飯の素を入れて炒飯を作った。炒飯にしたらマヨネーズの脂っぽさが目立ったので、次から炒飯にする時は選ばないことにしよう。
ゆっくりテントを撤収していると、次から次へと奥駈ハイカーやトレランナーがやってきた。「今日の目的地は持経ノ宿までです」「普段は鈴鹿をよく歩いている」「釈迦まで行ってトンネル西まで戻ります!」などなど、平日のストレスから解放されたハイカーたちの表情は、心底楽しそうだった。たぶん僕もそんな風に見えてるんだろうなぁ、なんて思い、笑えた。
バイケイソウと大台
実際見たら分かるんだけど、高峰三座は圧倒的な存在感。迫力満点だった。
五鈷峰崩壊地。ここを右に登っていくと狭い急峻な岩場の登りに差し掛かる。岩場に進んだところで、岩場を登り切った地点に登山者が一人いるのが見えた。こちらが先に登り始め中間地点あたりまで来たところで、突然、ロープを持ってガツガツと態勢を崩しながら強引に下ってきた。このタイミングで来るか!?と思い、ちょっと待ってくれと、狭いし避けれないし岩場で危険なのでそこで待ってて下さいと言って待ってもらったが、狭い岩場ですれ違うや否や急いで下って行った。その下には、僕の後ろに続いていた登山者もいた。この場面でまさか降りて来ないだろうと思ったし、見ていて危なっかしい不安定さだったので、たぶん山慣れしていないのだろう。この岩場であれはあり得ない。一言、普通待つやろ!と言ったが、聞こえなかったのか無視したのかそのまま駆けて行った。
七面山と神仙平の山深い景色に見惚れていると、不快な気分はすっかりどこかへ行ってしまっていた。
五鈷峰の危険個所を振り返って。上部には先ほどの後続の登山者が見える。
当初は弥山でもう一泊しようと考えていたが、時間が早かったのでそのまま下ることにした。前日登った八経ヶ岳を眺めながら、お気に入りの森に突入。
有難い看板だけど、なかなか覚えられない。。。
少し遅い昼食は、森カフェ in 高崎横手!残っていたロールパンとウィンナーでホットドッグを作った。贅沢な時間だった。
熊渡へ戻ると新緑がちょうど見頃だった。
まさに新緑のトンネル!
初めて七面山を歩いたが、楊枝ノ森あたりは山深さを感じることが出来て、とても好みだった。夕陽が掛かる七面山の絶壁は見応え抜群で、見飽きることはなかった。笹原やP1693も素晴らしい雰囲気で、七面山はその周辺で楽しむ山だと感じた。今回は熊渡からだったので少し遠かったが、かなり気に入ったので、タイミングが合えば秋に湯ノ又から再訪したい。
◆GPSログ(HOLUX M-241)
◆C.T.
<4/30>
6:20 熊渡
8:20 カナビキ尾根分岐
9:20 高崎横手
9:33 狼平~休憩 10:10
11:04 弥山~昼食 12:06
12:42 八経ヶ岳 12:48
13:03 弥山辻
13:46 五鈷峰
14:42 舟ノ垰
14:55 P1693分岐
15:00 P1693~散策 15:20
15:25 P1693分岐・テン場思案 15:35
15:45 楊枝ノ森分岐
15:52 楊枝ヶ宿小屋
<5/1>
5:18 楊枝ヶ宿跡
5:39 P1693
6:30 七面山コル
6:36 七面山東峰
6:54 七面山西峰
8:06 P1693
8:21 楊枝ノ宿小屋~朝食・撤収 10:00
10:41 舟ノ垰
11:35 五鈷峰
12:29 弥山辻
12:56 日裏山
13:13 高崎横手~昼食 13:52
14:29 カナビキ尾根分岐
15:16 林道終点
15:46 熊渡
撮影機材
EOS 6D
EF14mm F2.8LⅡ・USM
EF24-70mm F4L・IS・USM
Velbon シェルパアクティブ2
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| 大峰山系 | 23:00 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑